最近「江戸の教育力」という本を読みました。
江戸時代は公的な教育機関はなく、自分たちの村や住んでいる地域内で大人が責任を持って子どもを「一人前」にしていました。
ただ、ご存知の方も多いと思いますが村での教育以外にも「寺子屋」や「藩校」といった教育機関がありました。
寺子屋は、お坊さんや能力のある人が子どもを引き受けて、論語や人の名前、商売について教えていたそうです。
年齢もさまざまで、一人一人のレベルにあった教本を使って学んでいました。
礼儀が重んじられていて、「礼儀がない人は学ぶ資格がない」というスタンスだったそうです。
礼儀といっても形式的なもので、挨拶や人と連れ立ってトイレに行かないなどです。
参考までにその他の礼儀(形式的な行為)としては
・本を読んだらお互いにおしゃべりをしてはならない
・本を読んだら、線香2本が燃え尽きるまでに必ず復唱しなさい
・友達は兄弟同様であるから仲良くし、行儀を互いに正しなさい
・遅れているものには丁寧に教えてあげなさい
・親類、縁者が訪ねてきたら応対しなさい
などです。もう少し本に載っていますが省略します。興味のある方は本を読んでみてください。
形式的ですが子どもにもわかりやすい、納得しやすい礼儀ですよね。
もう一つ、印象的だったのは「若者組」という組織についてです。
15歳になると子どもから大人への中間組織として「若者組」というものに入ったそうです。
そこで少し年上から祭りの準備などいろいろな行為を通して、大人の振る舞いを学んだそうです。
面白いのがその若者組に入るときに
「菓子の食べ仕舞い」というのがあったそうです。子どもの心と別れるために。
いろんな形式や儀式などの「けじめ」があって子どもから大人になっていくわけですね。
次回は、今の教育システムとの比較をしたいと思います。
今の教育システムでは簡単に言うと
早期から形式的な礼儀(小学校1年からちゃんと座っていることを求められる)が求められている。
若者から大人(一人前)への礼儀や心構えのステップがなく、ただ知識を得ていって年齢が来たら大人扱いされる。
ということです。新しい視座を得ていただけるといいなと思います。
それでは次回もよろしくお願いします。
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